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当サイト『憩』はPSO2内でロールプレイをより快適に楽しむ趣旨のもと
2014年に立ち上げられました。
この度、諸事情により閉鎖する事を決断致しました。

閉鎖に至る経緯や事情については
一部PLによる規約部分への抵触とし、詳細は伏せておこうと思います。

 管理者:夢追い人

尚、私夢追い人はのロールプレイの活動の拠点は他へ移し行う予定であり。
SHIP3におけるRP活動は極限られた相手にのみ行うものとなります。
その為、過去に接点があり、私自身がお世話になった方(キャラクター)へ向けて
私自身の持ちキャラから最後のメッセージを残し、一先ず区切りを入れておこうと思います。





小さく風に靡くカーテンの隙間から静かに月明かりが差し込んでいる。

その淡い光源が辛うじて照らす闇の中、二つの影が身動ぎをする。

片方の影は全体的にすらっと細く、僅かな月明かりがなければ
闇と同化してしまいそうなほど濃い闇の色をしている。

もう一方はそれよりもやや大きく、その二つの影は
そえぞれのシルエットから男と女であることが判別できる。

男の方が、はっと息を呑む。

瞬間、室内を照らす月からの光が、女の片手に持つ何かにより反射する。

暫し沈黙がその場を支配し、やがて女の方が音を発した。


『…心配は要りませんよ、毒は塗っていません。』

『貴方を傷付けることは容易いですが、私が無駄な血に手を染めることで悲しむ友が居ますので。』

『大言を吐き、上辺だけで取り繕い、そして、自らの孤独を埋める為に他人を傷付ける…。』

『まさか貴方がそのような方とは思ってもみませんでした。』

『自覚がないでしょうから最後に言っておきます。』

『普段、大抵の他人はその内にある本音を伏せ、貴方の言動をよく観察してます。』

『貴方が求める友とは…自分の欲求を満たす為の存在だったのでしょうか。』

『相手の感情や都合に思いを馳せることはなかったのでしょうか。』

『ま、今更詮無い事でしょう。理解を求める虚しさは数度の話し合いを通じ痛感しましたから…。』

『私は受けた恩と礼は忘れません…そして、不誠実も。』

『人は正直な生き物で、とった行動によって相応の反応を示す生き物でしてね。』

『相手の反応が薄ければ、先ずは己の言動を省みたり、疑ってみることから始めた方が良いでしょう。』

『構って欲しさに他者を傷付ける。過去にも似たような者が居ましたね…ふふ。』

『さて、これでお別れです。』


女は男の首元に突き付けていた刃を懐に納め、別れの言葉も音もなく窓の外へと姿を消した。
窓際のカーテンが夜風に揺れていた。




ある部屋の一室で複数の男女が荷物をまとめる作業をしている。

『ねぇねぇ、義姉さん本当にこれ、置いて行っていいの?』

明るい栗色の髪の少女が、事務室のデスク上に置かれてる幾つかのフォトフレームを指し問いかける。

『新たな旅立ちでもありますから、身軽になった方が良いのですよ。』

問いを受けた女性が応じる。

そして、女性は部屋を出る前に、ふとフォトフレームの方へ視線をやる。

双子のように瓜二つの見目麗しい男女、若いデューマンらしき少女と金髪の青年の華やかな挙式の様子、どこか陰のある灰色の長髪をした男が写ったものが置かれてあった。

視線を順に巡らせ、一つずつ言葉をそっと添える。

『貴方達のブレない姿勢には今でも敬意を表しております。』

『幸せそうで何よりです。末永くお幸せに…。』

『さようなら…お元気で。』

そして、女性は部屋を出て広い中庭を通り、大きな門扉を開け外へと足を踏み出した。

門の外では、同じく旅支度を整えた数名の者達が彼女を待っていた。

『行くか。』

その中の長い黒髪の女性が短く発した。

『新たな旅路ですね。祝福してやらぁです!』

活発そうな少女の一声で、その場の者達は笑みと共に歩み始めた。

一歩ずつ。


背後に佇む巨大な館の門前では、黒尽くめの女性がそっと満足そうに見送った。

  • 最終更新:2015-04-21 19:28:21

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